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こんにちは!エスです。
最初に結論を。Punch Audio Patadaは低音重視タイプのイヤホン。ビリー・アイリッシュのようにサブベースを効かせた楽曲は深く沈み込んで気持ちいいけど、ギターやストリングスなど楽器の多い楽曲では低音が中音に被ると感じました。
圧のある広がる低音と、前に来て聞き取りやすいボーカルは魅力的。ただ中音への被りと高音の控えめさは気になったポイントで、そのあたりを実際に聴きながら詳しくレビューしていきます。
Patadaの評価まとめ(2万円前後という価格を踏まえた、僕の主観での評価です)
| 項目 | 評価 | ひとこと |
|---|---|---|
| 低音 | ★★★★★ | 量感たっぷりで、深く沈むサブベース |
| 中音 | ★★★☆☆ | ボーカルは前に来て聞き取りやすいが、楽器に低音が被る |
| 高音 | ★★☆☆☆ | 控えめで刺さらない。シンバルは伸び切らない |
| 音場 | ★★☆☆☆ | 下方向には伸びるが、左右と奥行きは狭め |
| 装着感 | ★★★☆☆ | 本体は小さめだが、ノズルが太く好みが分かれる |
| 鳴らしやすさ | ★★★★★ | スマホ+ドングルDACでも音量25%ほどで十分 |
- はじめに
- Patadaの特徴
- デザイン・外観
- 装着感
- 付属品・ケーブル
- 鳴らしやすさ・再生環境
- 音質レビュー
- 遮音性・音漏れ
- Softears RSV 2と聴き比べてわかったこと
- Patadaの良かったところと気になったところ
- こんな人におすすめ
- Patadaのよくある質問
- まとめ
はじめに
PUNCH AUDIOのイヤホンは今回が初めてで、その名の通りパンチの効いたドンシャリサウンドかなぁと想像していたんです。でも実際に聴いてみると、想像以上の低音の量感でした。「ドン」より「ドォン」と響く、少し暖かみのある音です。低音に比べると、シャリ感は薄めです。
聴いて一番驚いたのは、低音の深さです。音場が下へと伸びていくサブベースは、このイヤホンのストロングポイントだと感心しました。
気になったのは、冒頭でも触れたシャリ感の弱さです。高音で攻めたい、シンバルの残響を響かせたいといった楽しみ方には、少し控えめでした。普段聴いている音楽と重ねながら読んでみてください。
Patadaの特徴

まずはPatadaの特徴をざっくりまとめると、こんな感じです。
- 10mmセラミック振動板ダイナミックドライバー+MEMSドライバーのハイブリッド構成で、低音と高音を役割分担して鳴らす
- デュアルキャビティ・デュアルマグネットで、低音に力強さを持たせている
- 14dBのサブベースシェルフで、ビリー・アイリッシュのような重低音が主役の楽曲を深く楽しめる
- 最大45kHzまで伸びる高音
- 2pin着脱式ケーブルなので、断線しても交換でき、リケーブルで音の変化も楽しめる
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ドライバー | 10mmセラミック振動板DD + MEMSドライバー |
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜45kHz |
| インピーダンス | 20Ω(@1kHz) |
| 感度 | 104dB(@1kHz) |
| THD | 0.16%(@1kHz) |
| 接続端子 | 2pin |
| プラグ | 3.5mm |
| 付属品 | イヤーピース(S/M/L 計6ペア)、ケーブル、ケース、予備のノズルフィルター |
| 価格 | 21,280円(2026年10月時点) |
再生周波数帯域が45kHzまであるので高音の伸びを想像してしまいますが、実際は低音の力強さが非常に目立ちます。低音好きな人に好まれそうなイヤホンです。
デザイン・外観

黒を基調に、シェルにはスモークを表現したデザインです。
シェルにはPUNCH AUDIOのロゴが配置され、シルバーで縁取りされたロゴは光が当たると反射して浮かび上がります。筐体は少し小さめで、薄さもあります。
ノズルは金属製で、価格に対して安っぽさは感じません。

ただ一点、気になったのがLRの表記です。2pin端子のLR表記がイヤホンの外側にあるので、装着すると他人から見えてしまうんです。スマートではないので、ここは直してほしいですね。
装着感

イヤホン本体は少し小さめで、耳への収まりは良いです。ノズルが太いので、装着すると安定はします。
ただ、本体と耳のフィット感はもう少し欲しいところ。僕の場合、耳で支えるというより、ノズルでイヤホンを支えるような装着になるんですよね。

ノズルが太いぶん、耳の形によっては長時間の装着で圧迫感が出て、耳が痛くなるかもしれません。
他のイヤーピースも試してみましたが、付属のシリコンがいちばん安定しました。
付属品・ケーブル
ケーブルは不織布で巻かれ、端子からコネクタまでブラックで統一されていて、質感は良いです。柔らかく取り回しも良好で、タッチノイズも抑えられています。
ノズルフィルターは購入時から装着済みで、付属しているのは予備です。

ケースは外観にシボ加工がされ安っぽくないです。ぱっと見コンパクトですが、深さがあってイヤホンは収納しやすいです。
低音のキャラクターを重視したチューニングなので、まずは付属ケーブルで楽しめます。2pin端子なので、音場の広さや中高音の伸びを求めるなら、リケーブルで遊んでみる余地もあります。
鳴らしやすさ・再生環境
今回は、再生機器のリファレンスとしてMacBook Proを使って評価しています。イヤホンジャックに直接挿して、Qobuzからストリーミング再生しました。
比較のために、iBasso Audio DX270やドングルDACの川木 Type-C - 3.5mm変換ケーブルを使いました。
使用環境
- 再生機器:MacBook Pro(イヤホンジャック直挿し)/iBasso Audio DX270/iPhone 17 Pro MAX+川木 Type-C - 3.5mm変換ケーブル(DAC内蔵・ES9280C PRO)
- 音源:Qobuz(ストリーミング)
- ケーブル:付属ケーブル(3.5mm)
結果、Patadaは音量が取りやすいイヤホンです。MacBook Proの直挿しでも十分な音量が取れ、DAPのiBasso DX270では音量Loゲイン30/最大63で十分でした。
インピーダンス20Ω・感度104dBというスペックどおり、鳴らしにくさを感じることはありませんでした。

イヤホンジャックのないスマートフォンでも試してみました。Amazonで購入した川木のType-C - 3.5mm変換ケーブルを使いました。USB-Cに挿すだけで使える、12cmほどの小さな変換ケーブルです。DACを内蔵しているので、音量25%ほどでしっかり音量が取れました。
スマホで聴く場合は、こうしたドングルDACを1本用意すれば十分です。USB-C - 3.5mmのドングルDACなら、手持ちのものでも鳴らせると思います。僕が使ったものは、記事末にリンクを置いています。
このイヤホンでビリー・アイリッシュを聴き始めて、気づいたことがあるんです。重低音が大きくても、楽曲は存分に楽しめる。音楽はバランスだけではないと、改めて感じました。ただ、人によっては重低音を長く聴き続けると耳が疲れるかもしれません。
音質レビュー
第一印象
ひとことで言うと、Patadaは低音の深さを重視したイヤホンです。
セラミック振動板から押し出される低音は、前へと主張してきます。ただ前へ迫るだけではなく、深く沈む重低音まで楽しめました。
低音
低音は、前へ押し出してくる量感が特徴です。音楽のノリを楽しめます。
締まりよりも、やや緩く広がるタイプです。サブベースをとことん感じたい方に向いています。
ビリー・アイリッシュ「bad guy」では重心が低く、音場が下へ下へと沈み込みながら広がっていきます。楽曲のリズムと低音が、重力を感じるようなノリを生み出していました。
ビリー・アイリッシュ「xanny」では低音が支配的に力強く広がりますが、ボーカルと調和して一体となり、楽曲を低い底から盛り上げていきます。
中音
中音は、ボーカルの聞き取りやすさが印象的です。
ボーカルはやや丸みがあり、力強さよりも聴きやすさがあるタイプです。少し前に来るので、声が聞き取りやすくなっています。一方で、ストリングスやエレキギターの気持ちいい音域には、低音が少し被り気味でした。
宇多田ヒカル「First Love」では、ボーカルがやや近く、楽曲の主役として聴こえます。息遣いやビブラートが聴き取りやすく、心地よさがありました。ただ、低音のボリュームが少し大きく、好みが分かれそうです。
GLAY「HOWEVER」では、ベースの動きが目立つ場面があり、エレキギターに少し被ることがありました。楽器とボーカルの距離は近いものの、ボーカルが埋もれることはありません。もう少し音場の広さが欲しいと感じました。
milet「The Story of Us」は、明るいボーカルで声も大きく、聴いていて気持ちいいです。ただ、ストリングスとボーカルの分離感はもう少し欲しいところ。悠々と鳴るストリングスの良さが、低音にマスクされていました。
高音
高音は控えめで、キンキンしたキツさはありません。刺さりにくいので、高音が苦手な方にも聴きやすいです。
GLAY「BETTY BLUE」では、シンバルの力強さは少し控えめです。残響も少なく、シャーンと鳴った後に伸び切らずに収まります。
凛として時雨「abnormalize」では、刺激やキツさは抑えられていますが、ボーカルやギターの勢いはそのままにうまくまとめられています。ギターのギラギラ感が少し抑えられているため疲れることなく聴けます。
長時間聴いても疲れにくい反面、高音にきらびやかさを求める方には物足りないかもしれません。僕はもう一押し欲しかったかな。
音場・定位感・分離感
音場は、左右と奥行きが狭めです。音が前へ出てくるためか、少し窮屈に感じました。
一方で、下方向には伸びます。ビリー・アイリッシュのように低音が伸びる楽曲では、下へ広がっていく感覚がありました。
米津玄師「IRIS OUT」では低音の元気が良すぎて支配的ですが、ボーカルはしっかり聴き取れます。ただ音場が狭いので、もう少しゆとりが欲しいと感じました。
L'Arc〜en〜Ciel「Driver's High (Remastered 2022)」でベースを追うと、ギターに対してもう少し分離して、明瞭に聴こえてほしいと感じました。音が団子になることはありませんが、僕の好みではもう一歩です。
どんなジャンルと相性がいい?
相性が良いと感じたのは、ビリー・アイリッシュのように低音とボーカルが主役の楽曲です。暗く深く伸びる低音はビリー・アイリッシュのウィスパーボイスと相性が良く、音数が少ないからこそ、楽曲をシンプルに楽しめました。
宇多田ヒカル「First Love」のようにボーカルが主役の90年代J-Popも、息遣いやビブラートが近くに聴こえて心地よく聴けます。逆にGLAYのようなバンドサウンドでは、ベースとギターが重なる場面で低音の被りが出やすいと感じました。
遮音性・音漏れ
Softears RSV 2と、遮音性と音漏れを比較しました。イヤーピースはPatadaが付属のシリコン、Softears RSV 2がELETECH BAROQUEと条件が異なるため、参考程度に見てください。
遮音性は、電車の走行音の動画をスピーカーで再生して確認しました。Softears RSV 2と比べると少し悪いです。騒音は少し下がりますが全体的に騒々しく、人の話し声も聞こえます。
音漏れは、音楽を再生しながらiPhone 17 Proを10cmほど離して動画を撮って確認しました。ベントの関係か、少しガチャガチャと音漏れがしますね。Softears RSV 2は音漏れがないため、差がはっきり出ました。
静かな場所では、音漏れが気になるかもしれません。
Softears RSV 2と聴き比べてわかったこと

手元にPatadaと同じ価格帯の有線イヤホンがないため、普段リファレンスにしているSoftears RSV 2と聴き比べました。価格帯も再生環境も違うので、優劣ではなく、Patadaの個性を知るための参考にしてください。
比較環境
- Patada:MacBook Pro+付属ケーブル(3.5mm)
- Softears RSV 2:iBasso Audio DX270(4.4mmバランス接続)
低音は、Patadaが量感と沈み込みを前面に出しています。RSV 2も量感はありますが、クリアで上質な鳴り方です。
中音と分離感は、Patadaは中音に低音がやや被るものの、ボーカルははっきりしています。RSV 2はギターがエネルギッシュに鳴り、楽器とボーカルがしっかり分離するので、音楽全体が見通しよく聴こえます。
高音と音場は、Patadaは高音が控えめで、音場も狭めです。RSV 2は高音が伸びやかで、そのぶん音場の広さが空間として感じられます。
価格も音質の水準も違う2機種ですが、並べて聴くとPatadaの低音の出し方がより際立ちます。「こんな音を作りたい」という作り手の狙いが伝わってきて、そこに魅力を感じました。
- Patadaが向いている人:重低音とボーカルの聞き取りやすさを手頃な価格で楽しみたい人
- Softears RSV 2が向いている人:低音の量感を保ちつつ、広い音場と分離感を高い水準で楽しみたい人
Patadaの良かったところと気になったところ
良かったところ
- サブベースを楽しめる重低音
- ボーカルが前に来て聞き取りやすい
- 高音が控えめなので、音がうるさくならず聴き疲れしにくい
- 音量が取りやすく、スマホ+ドングルDACでも鳴らしやすい
- イヤホンのサイズ感やケーブルの質感が良く、価格に対して満足感が高い
気になったところ
- 低音の量が多く、中音への被りが気になる
- 重低音で長く聴くと耳が疲れる
- ノズルが太く、装着感は好みが分かれる
- 少し音漏れする
- LR表記が外側にあり、装着すると見える
こんな人におすすめ
Patadaは、こんな人におすすめです。
- ビリー・アイリッシュのような重低音・サブベースを楽しみたい人
- ボーカルが聞き取りやすく、高音が刺さらない音が好きな人
- 手頃な価格で、鳴らしやすい有線イヤホンを探している人
逆に、
- 楽器の多い楽曲で分離感や音場の広さを求める人
- シンバルの伸びや、きらびやかな高音が好きな人
- 静かな場所で使うことが多い人
こういった方は、別のモデルの方が合う可能性があります。
Patadaのよくある質問
iPhoneやスマホで使える?
使えます。Patadaは3.5mmプラグなので、イヤホンジャックのないスマホではType-C - 3.5mmのドングルDACが必要です。川木の変換ケーブル(DAC内蔵)で試したところ、音量25%ほどで十分な音量が取れました。
電車や外で使える?
使えますが、遮音性は高くありません。電車の走行音は少し下がる程度で、人の話し声も聞こえます。また少し音漏れするので、静かな車内や図書館では音量を控えめにするのがおすすめです。
イヤーピースは交換したほうがいい?
まずは付属のシリコンイヤーピースで十分です。他のイヤーピースも試しましたが、付属のものがいちばん安定しました。ノズルが太めなので、交換する場合は太いノズルに対応したものを選んでください。
リケーブルは必要?
必要ありません。付属ケーブルは柔らかく、タッチノイズも抑えられていて質感も良いです。2pin端子なので、音の変化を楽しみたくなったときにリケーブルを試せます。
低音が多すぎて疲れない?
人によっては疲れるかもしれません。高音は刺さらないので耳に痛い疲れ方ではありませんが、重低音の量が多いぶん、長時間聴き続けると耳が疲れることがあります。
まとめ
低音の深さとボーカルの大きさに浸れるイヤホンでした。
量感と深さのある低音に、ボーカルがしっかり乗ります。ビリー・アイリッシュ「xanny」では、楽曲の歪ませた低音とボーカルがよくマッチし、音数が少ないからこそ「重低音+ボーカル」の一体感が押し寄せてきました。
ただ、この重低音が良くも悪くも目立ってしまい、音数の多い楽曲には主張が強いこともあります。とはいえ、重低音を楽しみたい楽曲にはしっかりマッチします。
2万円前後のイヤホンは音質の水準が高いぶん似た音になりがちですが、ここまで低音を個性にした音は珍しく、重低音を楽しみたい人には十分な聴き応えがあります。
特に印象に残っているのが、Patadaで聴くビリー・アイリッシュのアルバム「WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?」です。沈み込むサブベースと囁くようなウィスパーボイスが、アルバムの重さと暗さをそのまま描き出していて、その世界観にこのイヤホンがよく合うんです。気づけば、最初から最後まで通して聴いてしまったほどでした。
低音とボーカルに浸りたい方には、そっとおすすめしたい一台です。
気になった方はこちらのリンク先からどうぞ
今回使用したドングルDACです


























